エスパルス櫛引が盛大に叩かれているので…

GK

J1昇格プレーオフが熱すぎます。

GKの山岸が獅子奮迅の活躍で止める止める。

そして、それでは飽きたらずまさかのロスタイム決勝点まで叩き込む始末…

往年のキタジを見るかのような見事なニアヘッドでしたね。フィールドプレーヤーでもそうそうできないんじゃないか…ってくらい綺麗に決まってます。

昨日の浦和対鳥栖でも林がパワープレーに参加してDFを惹き付けて陰でいい働きしてましたが、まさかこういうプレーをも「次世代型GKの理想」としてタスクに加えられるのでしょうか。

私なら発狂します。ええ。

一週間の話題をさらったGK

さて、そんな盛り上がってる最中に、違う意味で盛り上がっておりますのがエスパルスの櫛引のプレーを巡る論議です。

TwitterでGKの話を追いかけていると、今日の山岸の活躍がぶっ込まれるまで最も話題を目にしたGKが櫛引でした。天皇杯ガンバ戦と昨日のレイソル戦まで個人的にも言われすぎてて「どんだけ?」と思ったので追っかけてみた次第。

決して好調とは言えないチームの中にあるのもあって批判が集中しているようなので、「辞めろ」だのなんだのの誹謗中傷はなしにして冷静に分析を試みてみましょう。

ちなみに、私はレイソルサポであってエスパルスサポではございません。しかし、GKがあまりに言われまくるのはなんだかなあと思いますし、プロのGKに対するリスペクトもあるのでこれからも自分が応援してないチームのGKも取り上げまする。

天皇杯における5失点

話によるとこのうち「3点分」が櫛引のミスとされており、これがゼロだった場合2−2の延長に突っ込んでたというお話でもあるし、流れとしても悪くなかったようなので、批判の集中砲火を浴びている様子。

こちらがハイライトです。※埋め込みできませんでした…

ハイライトを見ると櫛引のミスと言われているのは「1点目」「3点目」「4点目か5点目」でしょうか。3つのミスと言うのが全部櫛引という意味なのかはわかりませんが、ミスがらみと思われるのはこれらか。

1失点目

これは残念ながら明確に「ミス」でしょう。雨が降っていてボールが滑ることを差し引いてもちと擁護するには厳しい。足の折り方が逆なのがこのミスにつながったと思われます。

ただ、ボールの軌道もちょっと変わってますね。揺れてるというか。正面とはいえ、変化していると処理は意外と難しいんだぜ!ってのは経験者なら言いたくもなるのですが、それを差し引いても止めておきたいプレーであるのは確かです。

2失点目

これは櫛引のミスではない。19番の選手がパトリックに完全にはがされてて、ニアであれを合わされたらノーチャンス。

3失点目

これが最も物議をかもしてますかね。

どうやら今シーズン「何度も」同じようなプレーからピンチなり失点なりを招いているとのことですが、出た上でパンチがヒットしてないという点で、「ミス」と言ってよいかと思います。

「出たら触る」はGKの基本ですからね。

ただ、その上で指摘しておきたいことがあります。

遠藤フリーすぎ。
倉田フリーすぎ。※遠藤と倉田を見間違えましたすみません…

中盤でのディフェンスどうなってんでしょうか?倉田もいいプレーヤーですからあの手の絶妙なクロスは容易に入れてきます。合わせるのがパトリックというのを見越した絶妙なクロスですね。

つまり、「フリーで蹴らせてしまったフィールド側の責任がゼロとは言えない」と私思います。

確かに櫛引は最後の砦で、味方のミスを帳消しにできるポジションの選手ですが、その選手のミスだけを批判としてとりあげ、チームとして上手くいってないディフェンス面のほころびを忘れちゃうのはどうなの?と。

昨日のレイソル戦でも見てて思いましたが、シュートに至るプロセスでミスがあったとしてもGKのミスが出た瞬間にそれまでのことが忘れ去られてしまう。

今季のエスパルスは櫛引ひとりでどうにかなることも確かにありますが、それ以前に組織としての守りがそもそもどうなんだ?って疑問はぬぐえませんでした。

櫛引の責任とか、いやフィールドの責任だ!ってやり取りがしたいわけではなく、チームとして整備すべきじゃない?ってこと。

話を戻します。

4失点目

これについても「櫛引出過ぎ」という意見が多勢を占めています。結果だけ見たらそうなんですが、これはプロセスもみて検証する必要があるなと。

まず、画面には映ってませんがパトリックに向けたロングボールが出た時点で、櫛引は高いポジションを取ったと思われます。

その後パトリックが上手く落としたあともまだゴールエリアを出たあたりのところにいましたね。

ここで彼の頭にあったことはおそらく2つ。

①宇佐美からパトリックへのスルーパス
②宇佐美の単独侵入

ワンタッチ目が長めにきたら、飛び出せば防げるポジションを彼は取ったのかなと。また、仮に打たれてもコースは狭めているから止められると踏んだ。

よもやあそこであんな見事なループがくるとは思ってなかったと思う。ループシュートって意外と難しいですし。

櫛引単体で見ると、「結果的にポジショニングミス」ということにはなってしまいますが、その裏で色々な選択肢があり、下した判断があるということは主張しておきたい。

結果的にその判断に誤りがあったということになりますが、これはこれで経験なんだとぼくは思います。

で、昨日のレイソル戦でも実は同じように高いポジションを取っている場面があって、基本的に前で勝負するタイプなんだなって思いました。

そして、結果的に止めていました。スタンドで見ながら、「工藤、上だ上!」と叫んでたんですが、今の工藤にGKのポジションまで確認する余裕はなかった模様。。

何にしても、あの場面は「まず宇佐美を褒めろ」というのが1つ。

あとは、宇佐美フリーにしすぎっていう3失点目と同じようにプレスの甘さだって出てるよっていうのが2つめ。

櫛引ひとりのミスとするにはちょっと酷なんではなかろうか。

5失点目

これはね。コーチングの甘さをご指摘している方がいますが、「それくらいテメーで考えろ!」って思わなくもない場面ですよ。

それに、指示してるよたぶんこれ。

ただ、いつ打たれるかわからない状況になったら、GKは基本的に止めることに集中する。いつまでもコーチングや声ばっかり出しているわけにはいかないのです。

あの場面、おそらくヤコヴィッチは打たれたコースを消してくれないとGKとしては困る。左にも右にもコースの選択肢があったらなかなか止まるものではないんですよ。プロのシュートって本当に速いしね。

これから伸びる選手だと思う

いずれの失点も、例えばノイアーなら止めてるとか、日本でも楢崎とか西川とかなら止めてるとか思うことはあるでしょう。

ただ、それはレベルの高いGKだから止まるのであって、同じボールが止められないことは「=ミス」ではございません。不満に思ってしまうのはわからなくはないですが…

櫛引に関して言えば、レベルアップに向けた取り組みは必須。エスパルスサポも黙ってないでしょう。櫛引に限らず、日本のGKのレベルはまだまだ低い。課題はたくさんあると思います。

ただ、国内にもポテンシャルのある選手はいます。

櫛引に関してはまだ21歳で、Jを見渡しても若くしてスタメンを張っていると言えます。かなりよい経験を積んでいるはずで、伸びしろは十分あるはず。

フロント側にも林を放出してまで彼に賭けた理由がそれなりにある…と思う。

まだ21歳の若手ですから、ポテンシャルは信じてやってくれ。

櫛引のミス=エスパルスの低迷 にあらず

昨日のレイソル戦を見ての感想ですが、エスパルスが低迷している本質は「櫛引のみにあらず」と思いましたね。

もちろん、拾えた勝点もあるかもしれませんが、守備の連動だとか、1つひとつの対人とかが甘かったりする場面が散見されました。

監督が変わったことも一因かもしれませんが、攻撃も大前とかノバコが孤立することが目立ったり、チームとして整備すべきことが山積しているように思います。

その中にあって櫛引のミスがあるんで、彼一人が攻撃対象っぽくなってるのかもしれませんが、そこに引っ張られすぎると問題を見誤ると思う。

エスパルス低迷の原因は彼だけじゃない。

まあ、わかってるとは思いますが一応。

本日は以上!

 icon-arrow-circle-o-right 2015年2月7日追記

Twitter上で河童氏が主催しているタグ企画にて、「#今季のイチオシ選手」が開催されまして、本当に期待しているので、櫛引を上げさせていただきました。

この世代で安定的にJ1のチームでスタメンとして経験を積めているのはやはり大きいです。 ミスもおそらく散見されるとは思いますが、日本にとって重要な選手なのは間違いありません。今季の飛躍に期待しています。

 

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