スペインの壁づくりとデヘアのポジショニングを考察する

考察

どうも、僕です。

ワールドカップが開幕し、早くも熱戦激戦長激戦が繰り広げられております。

中でも、今朝のスペインvsポルトガルは激アツの試合でしたね。

爆睡して起きられず、「決勝でOK」との呼び声も高い試合をライブ中継で見られなかった僕は完全に負け組です…orz

だがしかし、そこは天下のNHK様が神サイトを用意してくださっておりまして、見逃しで拝見することが可能なのです。

NHKオンラインスポーツ

しかも、様々な角度にカメラが配置されており、試合の検証もかなり多様な形で実現可能です。

TLにいらっしゃる戦術君の分析が楽しみでなりません。

というわけで、僕もGKに関してのみ、分析の真似事をしてみたいと思います。

スペインの壁の作り方

で、今回検証するのは、C・ロナウドのスーパーフリーキック…のときの、スペインの動きです。

が、世のGK諸氏の中にはコーチもおらず、壁の作り方しらねーし!みたいな人もいるかな?と思ったので、お手本にしてみてはいかがでしょうか。

結果、決められているのですが、これは頼むからロナウドを褒めてね!という事案です。

スペインがこの位置でこのように壁を作る、というのは大いに参考になると思います。

というわけでここからは、頑張ってキャプチャしたから静止画で見ていきましょう。

壁の枚数

画像がなんか小さくなってしまったので、クリックして拡大してみてくださいませ。

まず、ご覧の通り、枚数は5枚。

キックの位置はデヘアから見て左ではあるものの中央寄りです。

距離も近く、まさかの間接プレーということもなくはないので、キッカー以外の選手をお留守にしすぎるわけにもいかない。

なので枚数としては妥当だと思う。

壁の配置の仕方

次に、配置。

右利きのロナウドとしては、デヘアから遠いところにボールを蹴りたい。

そして、スペインとしてはそれを少しでもむずかしくしたいと考えます。

なので、左端の選手の位置と、壁の左2人の高さがポイントになります。

ボールとニアサイドのポストを直線で結ぶと、左端のブスケッツ1人分が外側にいるのがわかります。

これは、外から巻いてシュートするのを難しくするため。

この距離で人間1人分巻いて蹴るのは結構難易度高いと思われます。たぶん。

というか、壁づくりのセオリーだと思っていたのだが、違ったらごめん。

上を警戒する

で、ポイントは壁の左端2人が、高身長のブスケッツとピケであること。

ロナウドはデヘアから遠い位置に蹴りこみたいので、おそらく壁の外側を通してくると予測します。

その場合、壁の上を通されるのを警戒したいので、身長の高い2人を配置し、そしておそらくスカウティングで、壁の下を通してくることはないと踏んで、あらかじめ「ロナウドが蹴ってくるときは跳べ」という約束事があったんだと思います。

となると、この距離から、ジャンプしたブスケッツとピケの上から落とすのは、至難の業になる(はずだった)

実際のコースを見てみよう

距離が近いことを考えても、これらの判断は実に妥当だったと思う。

だがしかし、ロナウドのキックは、ジャンプしたブスケッツの頭一個分横を通り、かつ、曲げて落ちてきた。

ボールスピードも申し分なく、ゴールはネットへ。

困ったときのセットプレーとはよく言ったものだが、この舞台、この土壇場でこのようなワールドクラスのキックを蹴ってしまうロナウドさんはやはりロナウドさんでしたね。

なにやら、レアルマドリードを退団するらしいので、日立さん獲得に乗り出してみてはいかがでしょうか?

デヘアのポジショニングと動き

で、ちょっとTLで話題になっていたのがデヘアのポジショニングです。

なんでかというと、結構左を空けているからです。

ご覧のとおり、デヘアの身長2人分くらい空いているんですよね。

これをどう見るかなのですが、FKの位置的に、上を通すのは本来難しいと考えられます。

なぜなら、落としきれずに上に外れるケースが多いからです。

とすると、デヘアとしては、相手が裏をかいて右側に蹴ってくることも警戒する必要があります。

壁の高さもありませんし、低くて速いボールで狙ってくることも十分考えられる距離ですので。

なので、当初は僕も寄り過ぎかなーと思いましたが、こう見ると、この時点では妥当な判断だったのではないか、と考えています。

また、これに関してはポジションが一、二歩左だったら止まったかと言うとそうではありませんし、リアルタイムで色んなことを警戒しなければならないGKとしては、もっと左に寄るべきだ、という指摘は、結果論でしかないでしょう。

これで、左に寄ってて、右に決められていても、ポジショニングの結果論は吹き荒れたでしょうしね。

まとめ

というわけで、結果、ロナウド半端ない。

という内容になってしまったのですが、でもやはり、今回のスペインの壁づくり、デヘアのポジションともに、ミスはなかったと僕は思います。

どうしたら止められたのか?

と考えるのも良いのですが、まずはの作り方の教科書の紹介と、何が起きていたのか見てみようということでこのような形にまとめてみました。

皆さんは、この場面をどう見たでしょうか?

コメント

  1. a より:

    いつも面白く読ませて頂いております。

    個人的には、スペインはもう一歩左(デヘアから見て)に壁を作るべきだったのではと思うのですが、そこらへんはいかがお考えでしょうか?

    • Kameda Naoto より:

      ありがとうございます。

      個人的には、これより左にすると一人分が右にコースが開くので、左利きの選手が蹴ってきたときのリスクマネジメントが甘くなると思います。
      まあ、その可能性を捨てて、ロナウドのキック対策ができていればよかったかもしれませんが、何をとるかの判断のところですね。
      決して判断ミスではないと思うので、やっぱり結果論になっちゃうかなと。